Exhibition 2016.10

浅野茂写真展

期間:2016年10月21日(金)〜30日(日)
時間:11:00~19:00(最終日17:00まで)
※オープニングパーティー22日(土)17:00〜19:00

浅野茂,shigeru asano,写真,パリ,フランス,Paris,France


日本初個展開催に際して

幼いころ両親を亡くした私は、いつしか自分の存在を後世に残したいと願うようになった。東京デザイナー学院で学ぶうち、絵画に挽かれてパリ行きを決める。
79年渡仏、路上でキャンバスを立てて描いていた時、ある写真家が「こんな世界になるよ」と言ってカメラをのぞかせてくれた。そこには絵とは違う世界があり、自分が求めるものにぴったり答える新しい視覚と感動があった。この時、写真家浅野茂が生まれた。 
カメラ、現像、すべて自分でこなす。一枚一枚絵を描くように現像する。

ある雨の夜、暗い建物からパリの街に一歩踏み出した時、その路上に広がる光の乱射と影が目に飛び込んで動けなくなってしまった。わずかな水面に映る光は、芸術家浅野茂の魂を深く揺さぶり魅了した。以後私は、パリそしてロンドンの光と格闘するため雨の夜の街に「ペンタックス67」を立てる。何日もチャンスを待って白黒フィルムで光と影を捉える。フィルムから直接現像して手を加えない。
普段はレジタルカメラで仕事をしているが、自分の作品世界はフィルムでしか表現できないと確信している。

個展をこなすうち、2006年、フランス国立図書館が6点買い上げてくれた。2009年、パリ市立カルナバレ美術館に12点収まった。2016年5月、ジャック・ルノワール(ルノワールの孫)を名誉会長とするフランス中部の古都ロモランタン・ラントネ市で開催された「春の写真祭」で県議会賞を受けた。

37年の長いパリ生活。今回日本での初個展開催に際して、人生の輪廻が一周したように思う。そして、新しい出発を予感してる。

2016年9月15日
浅野茂


Profile

浅野 茂(あさの しげる)  カメラマン

浅野茂 HP


東京デザイナー学園卒
1979年 渡仏
1989年よりカメラマンとして活動開始

個展歴
2003年  初個展開催 Galerie Sterne パリ17区
2004年から2015 毎年個展開催
      Espace 7 Parnassiens パリ14区 他
2004年  Centre Didot-Broussais(カルチャーセンター) パリ14区
2006年  パリ14区区役所
2006年から2015 毎年個展開催 Galerie Hayasaki Paris パリ4区
      パリ写真月間OFF(2008年、2012年) 参加

2009年  ユネスコ・ディヴェルシテ・フェア展招待作家に選ばれる

2009年~ リヨンビエンナーレ(2009年)、パリ14区フォトフェスティバル(2010年)
      アンバリッドコンタンポラリー写真展(2014年)に招待作家として参加

コレクション
2006年  フランス国立図書館収蔵 (収蔵認定書番号 :coteEP-4776-boitefol)
2009年  パリ市立カルナバレ美術館収蔵